不安神経症 克服!
不安神経症 克服!
初診日 H3X年 4月X0日
患者:30代女性
主訴:胃の不調、食欲不振、不眠、首・肩こり、足冷たい、不安
VAS:9
病院での診断:胃潰瘍
その他の症状:胃が痛い、お腹が空かない、食欲がない、眠れない、首肩背中が凝 る、咳が出る、喘息、お腹は空くが食べたくない、足が冷える、立ちくらみがする、疲れやすい、くよくよと思う、恐がりである
体温:36.8℃
血圧:上が110位
血糖値:90
脈状:やや浮(軽く押さえて脈がふれるが強く押さえると脈が消えてしまう)
腹診:巨闕(みぞおち辺り)がやや硬い
本治法:右太白、右太谿 補法 左外関 瀉法
標治法:右三陰交、風池、欠盆、肩井、心兪、神道、左膏肓、右脾兪、右腎兪、首の下部督脈、身柱、脊中、命門
2回目、3回目は4~5日間隔。
4回目、5回目は1週間間隔。
6回目、7回目は10日間隔。
8回目は2週間後。
9回目は10日後。
10回目は2週間後。
11回目、12回目は1ヶ月間隔。
こちらの女性は二人目の子供を出産後(2ヶ月後)に体の不調が顕著になっています。
若い時から心配性で胃の症状があり、一人目を出産した時も疲れがひどく、肩こり等があったそうです。
特に子供が保育園から帰ってくると症状が出ることが多く、または人の世話をした後も症状が出ることがありました。
心の病に罹りやすい人は生真面目、几帳面、正直という性格が多いです。
この女性もやり残した仕事があると気になって眠れず、ついついやってしまうという話をされていました。
心の病は励ますのは厳禁で特にうつ症状があるときは特にです。
初診時は笑顔がなく表情は暗く、話しかけてもあまり返答はありませんでした。
こういう時は無理に話さず黙って治療することにしています。
回数を重ねる毎に体調が良くなり、4ヶ月後にはほとんど症状もなくなり、笑顔も見えるようになり、体重も4キロほど増えました。
この方は自宅でもお灸を続けたことも症状の改善に継ったと思われます。
様々な症状を訴えていますので、現代医学的には不安神経症といったところでしょう。
脾虚というのは消化器系の症状、婦人科疾患、不眠症、考えすぎなどの症状がでやすくなります。
腎虚というのは腰の鈍痛、足の冷え、疲れ易い、ビクビクするなどの症状が出やすくなります。
鍼は接触鍼(針先をツボに当てるだけで、刺さないやり方)のみで軽微な治療をしました。
以前、病院でうつと診断された方の治療をしたことがあったのですが、1ミリほど鍼を入れたら帰る途中に目眩がしてしゃがみ込んでしまったという経験があったので心の病は接触鍼に徹しています。
心の病の方は症状が改善しても、時々(月に1,2回)の治療を勧めています。
なぜかというと、何か出来事があると症状が強く出てしまうからです。
時々の治療は予防になりますし、何かあってもひどくならずに済むからです。
こちらの患者さん今では物事に対してほどほどを心がけるようになり気分的にも快適な生活を送っているようです。
症例紹介↓